5月27日オープンピアノ室開催レポート
今回のオープンピアノ室は埼玉県三郷市。
元々はユニットタイプの防音室をお使いでしたが、新築を機に弦楽器奏者との合奏や発表会、演奏会等もできる部屋にしたいとのご意向でプランニングを進めました。
約16帖という平面的な広さに加え、間取り上2階が乗らないようにできたため勾配天井のダイナミックな空間とすることができました。
新築のプランニング段階から、間取りや屋根部分の構造等細かい打合せを住宅会社交えてできたからこそできた計画です。
当日はこれから防音工事を計画されている方に加え、翌日に発表会を控えるオーナーさんの生徒さん達もリハーサル演奏にお越しになり多くの方にお越し頂きました。
中でオーナーさんにピアノを弾いてもらい、外でピアノが聴こえるのかを確かめています。
窓に耳を近づけると周囲の音が止んだ時に微かに聴こえる程度です。
風が吹いたりや鳥の鳴き声がすると、それにかき消されてしまうような音量です。
窓前1m地点でD'-50の遮音性能です。
続いてFIX窓の面でも聴いてみました。
ピアノの音が全く聴こえず、中で弾いているかの確認のために外壁面に耳をピタッとくっつけてみてようやく微かに聴こえました。
こちらはD'-55の遮音性能です。
遮音性能について確認を終えると、皆さんの関心事は部屋の響きがどうなのかという点。
じっくりとピアノを弾いて確かめます。
今回のピアノ室では、仕上げ材として吸音板は一切使いませんでした。
ホールのような豊かな響きにできるだけ近づけたいというご要望のためです。
完成時点では反響が強すぎて会話もままならない状況でしたが、お引っ越し後には楽譜や待合用のソファが適度な吸音をし、心地よく豊かな響きの部屋となりました。
物や人にもそれなりの吸音力があるため、過度な吸音は必要ないのです。
発表会用の椅子を並べただけでも響きに変化があるのが分かりました。
今回はオーナーさんの生徒さん達による、デモ演奏会兼発表会リハーサルを併せて行いました。
お子さんから社会人の方まで幅広い年代の生徒さんがいらっしゃいましたが、オーナーさん曰くこの部屋でレッスンを始めてからはピアノの音色について指導しなくても、生徒さん自身が自分の出した音の善し悪しを聴き分けできるようになったとのこと。
響きのある空間でのレッスンは耳を育む上でも良い効果があるようです。
今回ご参加できなかったという方も、今後は定期的に開催していきますので是非次回以降お越し下さい。
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