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2013年7月

2013年7月23日 (火)

間接照明の効用・・・・・1

防音工事とは直接関係ありませんが、インテリアデザインの手法についてご紹介します。
  
間接照明は、天井に反射させた光が部屋全体に拡がって、
普通の照明とは違ったフワッとやわらかい明かりが得られます。
照明器具も見えず、洗練された印象になるためちょっとした高級感も演出できます。
 
一般的には、壁の上部などに棚のようなものを造り込み、
そこに蛍光灯を仕込むというのが多いですが、このようなタイプは
「間接照明のためのデザイン」という感じになりがちです。
あたかも間接照明を付けることが目的であるかのように。
 
当社では、もうひとひねり、ふたひねり加えた提案をすることが多いです。
 
よく、マンションの個室ふた部屋をつなげて、ひとつの大きなピアノ室にすることがあります。
このとき、ふた部屋の間に梁が通っていた場合、ひと部屋にしたときに
天井の中央に梁型が出っ張り、とても不格好になってしまいます。
 
そこで間接照明の出番です。
 
梁型の両サイドに間接照明を造り込むことで
梁型の存在感を希薄にすることができます。
 
さらに、間接照明の下部にスリットを設けて、間接光だけでなく、
スリットからの直接光を得ることで、より高い照度を確保しています。
 
T_tei_3
   
K_tei
 
W_tei

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2013年7月 8日 (月)

音楽室の窓について・・・・・6

音楽室の窓は『音楽的窓?』であるべきだ。
 
リビングとひと続きにする方法について、ややアクロバティックなやり方を紹介します。
 
引き違いの窓は通常、2枚のサッシを互いにスライドすることができますが、
左右どちらかにまとめて寄せることになるため、実質的な開放部分は全体の半分です。
 
この引き違いサッシを改造して、2枚のサッシ両方を一方の壁に「引き込む」ように
した事例です。
 
Y_tei1_3
サッシを閉めたとき
 
Y_tei2_2
サッシを壁に引き込んだとき
 
こうするとガラスの存在は消え、見えるのはレールだけで全開放となります。
もちろんこの状態では防音工事をしていないのと同じなので、
夜間にピアノを弾くことはできませんが、日中の短時間であれば許される範囲で
演奏することができるかもしれません。
また、ピアノを弾いていないときはひとつの空間として使うことができます。
大きな部屋でホームパーティ、なんてときにはいいかもしれませんね。

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2013年7月 3日 (水)

音楽室の窓について・・・・・5

音楽室の窓は『音楽的窓?』であるべきだ。
 
前回に引き続き、室内に面して設ける窓についての話です。
防音室というととかく密閉された閉鎖的なイメージがつきまといますが、自宅の中には音が聞こえてもいいから、隣の部屋とつなげて開放感が欲しいという要望は少なくありません。
 
よくあるのはマンションのリビングで、その続きの間として和室があるケース。
この和室をリフォームしてピアノ室にする場合の仕切り方です。
 
まずはもっともオーソドックスなパターンで、引き違いの二重サッシにする方法。
I_tei
D-30等級程度
 
こうすると視覚的なひと続き感は出て、防音性能もそこそこ確保できます。
(「そこそこ」と言っても、ピアノを弾いているときに、リビングでぎりぎりなんとかテレビが見られるというレベルですが・・・)
 
しかし最近はもっと積極的に「ひと続き感」を求めることが増えています。
もともとのふすまの部分だけでなく、壁の部分もいさぎよく取りはらって4枚建てのサッシを入れます。二重サッシにもしないのでリビングにはかなり聞こえますが、ご近所にさえご迷惑かけなければこれでもいいという方が多いのも事実。
 
W_tei
D-25等級程度
 
下の写真はリビングと段差が無く、しかもまったく同じフローリングのため「ひと続き感」は最高レベルです。マンションでなかなかここまでの好条件は珍しいですが、場合によってはここまでできるのです。

F_tei
 
S_tei

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2013年7月 1日 (月)

音楽室に響きは必要である ①

このメールは引渡し後半月ぐらい経ってるらしい。

02_3この頂いたメールではピアノの響きやフルートの響きが書かれており防音工事のことについての言及はない。その前のやりとりで防音工事そのものや防音性能に問題の無いことのやりとりがあったかどうかは不明。

当社の仕事は防音性能に加えて、必ず室内音響・響きのことについてまで提案設計するので、工事後このような音楽室としてのクオリティに関するコメントをいただくこともある。

当社が単なる防音屋さんでは無いことは、いろいろな提案、設計打合せの過程で間接的に十分アピールしているのだけれど、クライントから部下に直接このように反応・コメントを頂けるのは上司としても本当にうれしいことで、本人も意気に感じているはずだ。

音響工事を手がけるようになってから長いが、防音工事でありさえすれば良い、響きは吸音材で内装すれば楽器の音がうるさくなくなるのでそれでよし・・・,といった段階から、音楽室,音楽練習室の本質的内容(気持ちの良い響きは必要)まで十分に理解が及んできたいうことを実感する。

創業当初から、楽器,音楽にあった響きの実現・提供が大きなテーマであったのだが、そのことが当然のごとく関心事になってきたのは,今更ながらとはいえ時代がやっと追い付いてきた・・・・ということか。
  
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前田様

続いてお世話になっております。引き渡して頂いたのちまで、お手を煩わせて、申し訳ありません。
諸々の件、ご報告です。

防音室の音響の件、息子が日曜日終日ピアノを弾いておりましたが、とてもいい響きだと満足しておりました。「ホールで弾いて自分の手元から聴こえる音」とのことです。ただしホールからの残響はないとのこと。(私にはよくわからないですが、前田様はこの表現でご理解頂けますでしょうか?)録音ができそう!と喜んでました。

また前述の通り、日曜日夕方にフルートの先生が来られ、やはり響きがいいとおっしゃって頂きました。娘も初めて吹いてみて、気持ちがよかったようで、まだ引っ越しができてないですが、フルートはここで吹くと言ってました。防音室は本当に作って頂いてよかったと家族で満足しています。

それから、調べて頂いた棚の金具の件、早速ネットで注文しました。全く同じものではないけど、十分使える金具でした!教えて頂き、ありがとうございました‼

早くご報告しなくてはと思いつつ、遅くなっていまいました。ごめんなさい。今後とも、ご指導の程よろしくお願いします。
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