スタジオを良い響きにするには?
高い防音性能が確保されていても、楽器を演奏したときの響きが悪くては音楽スタジオとしては問題があると言えます。
良い音楽を楽しむためにはバランスの良い響きにするべきでしょう。
もともともスタジオや音楽室といった閉鎖空間は一種の共鳴体になります。
その共鳴周波数は部屋の間口、奥行き、天井高さの三辺の寸法の比率によって決まり、複数ある共鳴周波数をできるだけ均等に分散させることによって低音から高音までバランスの良い響きが得られます。
しかし、この共鳴周波数が特定の周波数に集中してしまうと、音がこもったり、ブーミーに感じるようなクセがある響きになってしまい、非常に演奏しにくい状態となってしまいます。
たとえば、部屋の間口と奥行きの寸法が1対1になる正方形であった事例がありました。
三辺の比率のどこかが整数倍の関係にあるとその長さを半波長とする周波数とその整数倍の周波数で大きな共鳴を起こし、クセのある響きとなってしまいます。
そうした場合は、壁面を斜めにすることにより整数倍の比率関係を崩すということが必須になります。
その結果、スネア、バスドラ、シンバルなど楽器1つ1つの音が明確に聴きとれ、アンサンブルでも低音が引き締まり、分離感の良いサウンドが得られる響きとなりました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント