コラム

2014年11月21日 (金)

「部屋は再生装置」 -良い音のオーディオルーム造りのポイント-

素晴らしい音楽情報は、耳に到達する音空間のあり方によって
最終決定される事実を忘れていませんか?
良い音のオーディオルーム造りのポイントをまとめます。
 
【Point  1】 オーディオルーム造りはオーディオのインフラ整備である
  
1_2 オーディオはオーディオ機器と部屋で成り立っています。
スピーカーから出た音は、部屋の音響特性の影響から逃れることはできません。スピーカーからの音と反射波を含めた部屋の音を同時に聞いているのです。それは、車と道路の関係に例えられるかもしれません。スーパーカーが性能を発揮するには、道路が重要であることは自明です。いかにドライビングテクニックを駆使(オーディオテクニック)しても、限界があるのです。
スーパーカーを車庫に眠らせていたり、街中走行するばかりだったり……、あなたの高性能機器はその能力を十分発揮しているのでしょうか。
 
 
Point  2】 理想のオーディオルームの形・黄金比とは  -定在波とのお付き合いの仕方-
  
部屋においては、固有の定在波群が発生します。コンサートホールのような大空間では問題にならない定在波のあり方が、小空間においては重大な音響的欠陥を生じかねないということを御存知でしょうか。AudioRoomの悩ましき問題点のひとつが、部屋の形からくる定在波の集中、偏在によるブーミング現象(低音)です。定在波の分散・均一化を実現する部屋の形・ゴールデンプロポーションは数多く存在していますが、偏在・集中を招くようなプロポーションも多く存在します。
ブーミング現象は波長の長い(数m)低音域で顕著にあらわれますから反射面を部分的に傾けたり、吸音材で対策しようとしても、ほとんど効果がないことはチャレンジした方は良く知っているはずです。定在波は平行面に発生するものだけでも、二次元的・三次元的に発生しますので、平行面をなくしたからといってなくなるわけではありません。
よいプロポーションで設計された部屋の響きは吸音の大小に関わらず、非常にスッキリしたキレイな響きになります。定在波のあり方を念頭に入れない音響設計はあり得ないのです。
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部屋の間口・奥行・天井高の比率が重要。
代表的な例として、a:b:cが整数倍にならないように
したり、極端に細長い形を避けるなどがあるが、
案件によって適宜対応するようにしている。
そのつど振動パターンを検討する。
   
 
Point  3】 部屋の形の検討なくして音響設計は始まらない。 ーオーディオルームは楽器とは真逆の関係ー
 
3 どのような空間もそれぞれ固有の響き(空気振動・定在波)を必ず持ちます。楽器というのは特定のピッチ(音程・周波数)で共振しやすい形・構造になっています。共振という現象を最大限に利用してあのような美しく大きい音を出しているのです。それならば、オーディオルームはどうなのでしょう。
楽器のように特定の共振構造を持っていては、まんべんなく全ての音を再生するうえで障害になってしまうことになります。空間に発生する複数の振動現象は特定のピッチに集まったりするような形でなく、分散するような形でなくてはなりません。
低音のブーミー感や高音域のフラッターエコー現象は音楽を再生するのに大きな障害になります。部屋が閉鎖空間である以上、定在波そのものはなくなるわけではありませんので定在波の重なりによる集中=共鳴が発現しないような部屋の形(開口・奥行き・天井高)の検討が音響設計の第一歩なのです。(8帖のような開口と奥行が1:1になるような形や、整数倍になるような関係は音響的タブーになっています。また細長い平面もよいとは云えません。)
 
 
Point  4】 いい音は間接音(反射音)が鍵となる
 
スピーカーから出る音をかぎりなく良くする。・・・これがオーディオ的音楽の聞き方であるとすれば、オーディオの醍醐味の半分しか味わってないことになります。
耳に届く音の半分、あるいは半分以上が反射音(間接音)であることを御存知ですか。
ハース効果という先行音効果により、あたかもSPからだけの音が聞こえるように感じる(※)のですが、実は半分以上を占める反射音の音が歪んているとしたら、トータルでは雑味をともなった歪んだ音を聞いていることになります。しかし通常反射音の歪成分は微少音であることから耳につきにくいのですが、直接音の増大にともなう反射音の歪音成分の増大は、耳のスレッショルドレベル(閾値)を越えだし、耳につくようになるのです。いわゆる音の飽和感は、絶対的音の大きさ以外にも歪成分の増大によってもたらされているという事実を知る人は多くありません。
高剛性で振動しにくい面でつくられた部屋での大音量は、音飽和感につながりにくいという意味は、ハイエンドオーディオの世界では無視できない大きなポイントです。 
4
音はスピーカーからの直接音の他、床・壁・天井の
各面を反射して私達の耳に届いている。
 
 
Point  5】 内装素材と下地構造、反射音のクオリティー 現代住宅内装の音響的問題点と伝統的西洋建築に学ぶ ー
 
現代住宅の内装構造は軽く薄い材料で構成された二重構造になっています。
 床を踏み鳴らすと・・・ドン・ドン
 壁を叩くと・・・バン・バン
 天井を叩くと(経験はないでしょうが)・・・ボン・ボン
これは、面材の屈曲振動の音と共鳴(タイコ現象)による音の合成音です。
反射音の音になんらかのこのような音が乗ってくるのです。小さい音だと気にならなかったのが音量を上げ出すと、雑味のある汚ない音になってくる原因になっているのです。今日まで響きの長・短を問題にすることはあっても、反射の質を問題とされることはありませんでした。
 
●一般的な部屋の構造
 フラッシュ構造(中空構造)の建具など
 
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ヨーロッパなどの組積構造とよばれる工法は、単層構造で重く厚い材料で作られています。二重構造による共鳴構造をもちませんし、重く厚い材料なので面共振(屈曲振動)も起きにくいのです。残響は長くなりますが、歪んだ響きにはならないのです。
西洋音楽と西洋楽器はそのような建築環境で育まれ、成立してきたということの意味は、再認識する意味があります。
オーディオ機器の高音質化の手段の一つは、あらゆる信号経路、躯体の高剛性化・無振動化にあることは周知の事実ですが音の伝達経路でもある現代住居の内装が、軽薄で振動しやすいことを認識するならば、答えは自ずからでてくるのです。
 
●伝統的ヨーロッパレンガ組積造
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Point  6】 音の良いオーディオルームの設計とは ー 部屋づくりは科学である ー
 
部屋の音響特性の代表例として
残響時間周波数特性(平均吸音率の設計)やSP音圧伝送周波数特性があります。
それらの設計指標や数値シュミレーションは有効な設計目標であったり手段であることは論をまちません。しかし、それらの分析技術が音場の包括的状態を表現しているわけではありませんので、必ずしもそのまま最良の結果につながるわけではありません。
Point1からPoint5で述べてきたように
1. 部屋の形(プロポーション)がもつ固有の響き(大きな音響欠陥につながる場合もある)に目 を向けること。-定在波コントロール-
2. 住宅内装構造に共通する音響的弱点や欠陥に目をむけること。
 -素材・下地構造の振動コントロール・無共振化-以上の2点が最重要基本ポイ ントになります。
設計の第一歩は1と2の検討から始まることなのです。それなくして残響設計や伝送周波数特性やその他もろもろの設計はありえません。誤解を恐れずに言うならば、上記2点がうまく設計できれば、オーディオルームの成功の80%が約束されるといっても過言ではありません。オーディオ機器の性能はフルに発揮されSPからの音は「単なる音情報」から「生き生きした音楽」に生まれ変わるのです。
 
●残響時間周波数特性
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●SPリスニングポイント伝送周波数特性
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2013年6月28日 (金)

アコースティックエンジニアリング(アコースティックデザインシステム)という会社はどんな会社なの?


アコースティックエンジニアリング(
アコースティックデザインシステム)
という会社はどんな会社なの?

1

音響建築の専門会社としてスタートしましたが、DNAとしては建築設計事務所を受け継いでいます。音楽設計技術は常にクライアントとの対話を重視しながら現場実践を通して常に進化させています。それは防音工事における遮音技術の進化に留まることなく、室内音響(響き)の分野においても積極的に提案を行っております。類似の会社との違いは、一言でいえば防音工事会社というよりも,音、音楽に強い建築設計デザイン会社というように考えて下さい。

 
1978年、住宅・マンションなどの住宅関連の建築設計事務所((株)鈴木やすゆき建築設計事務所)を母体に設立しました。 
    
For Your Better Music Life
 
をモットーに音楽家・音楽愛好者・音楽制作者のための
音響建築会社です。気兼ねなく音楽を快適にできる音響建築で音楽家に貢献すること。それは音楽家のライフスタイルの一部を提案・実現することにほかなりません。
For Your Better Music Lifeは、創業の精神であり、企業ポリシーなのであります。

  
「ドアを締めればフォルテの世界」

「音楽室という名の楽器づくり」
 

が具体的に企業活動の大方針になります。前者は、都市住宅空間にあって気兼ねなく音楽ができる空間づくりであり、後者は、音楽する空間として楽器をつくるように美しく自然な音響空間をつくるということであり、同時に空間そのものも美しく造るということです。

創業以来30数年になりますが、以上3つの概念は変わることなく常に技術デザインを研究・進化させながら今日に至っています。
 

現在、求人募集しています

(1) JWW設計図作成者・インテリアコーディネーター。

建築の専門学校を出られた方(卒業予定)及び住宅関連会社で住宅設計及びアシスタントの就業経験がある方

(2) 建築設計・営業の補助事務及びWEB関連の更新作業など

上記関連の学校の新卒者・住宅関連会社で経験のある方。

(3) 建築設計技術者 (次世代幹部養成をするのが目的です。)

音楽やオーディオが好きで建築専門の大学及び専門学校卒・あるいは卒業見込みの方。
建築設計業務経験者は建築士有資格者
  
 音、音楽の好きな新卒のかた歓迎いたします。 

※2013
8月末日まで募集しています。

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2013年6月19日 (水)

オーディオルームづくりはインフラづくりである

インフラとしての室内音響防音工事

オーディオルームづくりはインフラづくりであると考えられます。
先ず音楽再生音量は個人差があるにせよ音楽に合った音量が必要であり、それらの音量は生活音よりも確実に例外なく大きいことです。
したがって、普段は何不自由なく暮らしている生活空間にオーディオ環境を持ち込んだ場合、多くの場合望む音量を制限せざるを得ない状況がしばしばこっているのではないでしょうか。
音楽再生適性音量は決して実音と同じということはなく、多くはマイナス10~20デシベルぐらいあたりの音量が良いようだが(ある種の法則があるようだ、パラメーターは空気体積、近く公表?・・・・・)それでも80~90デシベルの音量は生活音より大きい。それを下回る音では音楽的感動は得にくくなる
・・・・・・・小さい音でも十分楽しめると反論される方もいらっしゃると思うが、それは想像力豊かな方であってイメージで補って楽しめる方なのである。実は音楽家は意外にもプアーなオーディオで満足されてる方が多い(・・・失礼)。もちろんきき方の違いがあると思うが楽譜が頭に自動的に浮かぶぐらいであれば、限られた情報量であっても人一倍再現情報はおおきいのだ。
一方・・・・・・・音量を下げなければならない習慣に慣れてしまっているという方もいらっしゃる。イメージで補える?ということもあるかもしれないが、生理的・肉体的感動受容という概念があるとすれば、音楽感動欠落環境といえるだろう。
大きい音は多くの場合、他人(家人も含めて)に迷惑をかけることになり、いわゆる防音工事が必要になることがあるが、しないで済むにこしたことはない。
再生音が見違えるほど良くなるのである。鳴らないスピーカーが水を得た魚のように甦るのである。
もっとも適切な部屋の形が設計されているのであれば・・・・・・・という但し書きがつく。適切でなければ却って取り返しのつかないひどいことになる。部屋の定在波の分布が偏在するような形の部屋の場合は、低音の素直さがなく、不自然で部屋そのものを意識する様な鳴りかたになる。これらは低音域に現象するので気づきにくいが、ひとたび気づくと生理的拒否反応を起こす人が多い。
逆に低音が自然な部屋は、中高音まで素直に響く。残響の多い、少ないはあるが一応に違和感のないきれいな音になるのである。
実はすべて楽音は低音から高音までのスペクトラルエネルギーを発している(基音以外に広範なエネルギー分布があり高音の多くはいわるる倍音である)。
オーディオでは低音を良くすると中高音域の音まで改善される(・・・逆もまたしかり)ということが言われるが、部屋の固有振動・定在波(定在波は低音域では測定しやすいので低音のことを指すと一般的には思われている)が、中高音にかけて無数にあって低音の波とは密接な関係性があることは理論的に明白なのである。
部屋のプロポーションを適切な比率にすると、部屋の響きが自然で部屋をあまり意識しない響きの部屋になり、スタジオから音楽室まで例外なく高評価をいただいてる理由だと考えている。
簡単なセッティングでスピーカーが消え?ステレオ音場が出現するのである。
しかも試聴位置も広く、部屋の隅であっても音のバランス・印象はそれほど変わらないのである。
それをステレオ再生インフラ整備と称している。
しかも
それ自体は直接コストがUPすることではない、音響設計・建築設計の領域なのである。
雑誌ガウディオの夏号の記事をご参照あれ。
Gaudio031_2

(クリックすると拡大表示します)
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Gaudio_no03_p058_p061_1c2

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2013年6月18日 (火)

第2回 一緒に持っていったスピーカーはどんなもの?

先のセミナーで「ジェネリック100HR」と一緒に鳴らしたスピーカーが2セットありました。小さい方は「ストライク」という名前で、もう何年も前に共同通信社「オーディオベーシック」誌に掲載したものです。ユニットは5インチの同軸2
ウェイで、イタリアSICA(シーカ)社製のものです。型番はZ002320とまるで単なる識別番号みたいですが、1本5,000円少々で買えてネットワークいらずの2ウェイが構築でき、音もかなりしっかりしたユニットですから、皆さんも一度お使いになってみてはいかがでしょうか。お薦めのユニットです。
 
Sumiyamashi2_2 「ストライク」は、そのZ002320を3リットル強のバスレフ型キャビネットに入れた作例です。キャビネットの形はご覧になってお分かりの通り、「ジェネリック100HR」同様のジェネリック型です。2本で1万5,000円もかからず、製作は極めて簡単で、60Hzくらいまでは楽に再生しており、その辺のローコスト2ウェイなどには決して負けない再生レンジと音の品位を持っています。
 
もう1セット持ち込んだのは、同じZ002320同軸2ウェイをダブルバスレフの箱へ入れたものです。このスピーカーには私の作例としては珍しく、ペットネームがついていません。何のことはない、このキャビは雑誌に掲載していないのですね。いつも雑誌掲載用のキャビネットはペットネームを考えるのに四苦八苦しています。それで必要がないとなったら、もう作って何年にもなるのに名前もつけてもらえない始末。何か気の利いた名前を考えてやらねばなりませんね。
 
この「名称未設定(仮名)」のキャビ形式は先ほど何気なくダブルバスレフと書きましたが、少し解説しておきましょうか。一般のバスレフは「ヘルムホルツの共鳴」という原理でダクトから低音を放射してローエンドの伸びと量感を稼ぐ方式ですが、ダブルバスレフというのは文字通りバスレフの共鳴を2つ起こしてより低い周波数まで再生限界を伸ばすというものです。一般にキャビネットが大型化し、設計に決まった公式があるわけでもないので、やや上級者向けというべきキャビネット形式です。
 
「名称未設定」は第1ダクトが約130Hz、第2ダクトが60Hzで共鳴しており、トータルで50Hzくらいまで楽に再生できるようになっています。「ストライク」に比べてほんの半オクターブくらいしか伸びていいないのですが、キャビネットは倍ほどの大きさとなり、製作の難易度も数段階は上がってしまいます。
 
それで一体どれほどの再現の差が耳へ届くのか。こればかりは実際に聴かないとご理解いただけないものと思います。当日ご参加下さった皆さんへは十分に違いが届いたものと思います。
Sumiyamashi3  
自作スピーカーというものはかくの如し。一つのスピーカーユニットからでもキャビネット次第で無限の可能性を引き出すことができるのです。私は10代の頃にこの趣味へハマってもう30年が経過しましたが、まだまだポケットにはやりたいことが山ほど詰まっています。さほどお金をかけなくても結構奥深く楽しめ、腰を据えてかかればメーカー製の高級スピーカーに伍して戦うことの可能な、いやメーカー製スピーカーでは実現することのできない「自分だけの音」をご自分のリスニングルームへ迎えることだって可能なのです。
 
スピーカーに限らず、「自作」というジャンルは「生録」と並んでオーディオ趣味の中では最もアクティブでクリエイティブなものです。そして、取っつきにくい印象とはまるで違って、誰でも簡単に始めることが可能なものでもあります。上級者のように電動工具やクランプを山ほど用意して、というのは結構ハードルが高いものですが、今回お聴かせした「ジェネリック」キャビネットなどは、以前オーディオショーで私が作り方を解説しながら来場者と一緒に作り、2時間ほどで皆さん組み上げてお帰りになったくらいです。
 
どうか1人でも多く、この素晴らしい世界へ入ってきて下さることを心より願います。
 
次回はセミナーの模様とアコースティックデザインシステムの音響設計された防音工事オーディオルームでどう音が響いたか、といったことについて述べたいと思います。
 
- 炭山 -

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2013年5月23日 (木)

音の良いオーディオルームとは 1-1 自分の声・定在波

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防音工事をすると音が良くなる?その2

オーディオルームにスピーカーから放射された音はリスニング側からは、直接届く『直接音』と反射したり反射をくりかえしたして合成された『間接音』や『残響音』とを聴取することになります。

リスナーは『直接音』を主体的に聞いていると思いがちですが、実は『間接音』をかなりの比率で聞いていることになり、それが部屋の違いによる音の違いなのである。
プロオーディオの世界では部屋ごとに音が違うということは常識であり、如何にその要素を勘案しながら、ミキシングしたりマスタリングするモニター作業をすることがその人のプロとしての実力になるということが言われている。
間接音は反射音である。反射音は入射音と同じであることはないし、小さくなった相似形音でもない。別の生成された信号音・付帯音が付加されるのである。
付帯音は入射・反射をもたらす面・・・・壁・天井・床面が入射エネルギーで発生します。
それなら・・・・付帯音を少なくすることが良いことだ・・・・・・・となれば、
面材は重い方が良い(運動力学・質量則)ということになります。
壁をてで叩いてみるとすぐにわかります。(……実はこのことは実に多くの音響的要素を含んでますが・・・・・)

Photo

結論を急げば
防音工事の性能UPは基本的に重いもので構成しなければならない(遮音公式1)・・・・すなわち振動しにくくする・・・・・・・・・・反射音に付帯音が乗りにくい・・・・・・音が良い・・・・・ということになります。
現代の住宅環境は実に軽いものでできており、叩けば音が出やすい面材(自然素材でない新建材)に囲われている・・・・・すなわちそのような音(・・・・・小さい音ですが)を同時に聞いていることになるのです。
したがってオーディオ機器で再生する再生音は、部屋の反射音ひずみの大小に大きく作用されることになります。ハイレベルオーディオの世界を目指すならば其処がボトルネックになってしまうのです。
でも逆にそうでなくとんでもなく悪くなることもあります・・・、次回・・・・。

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2013年5月21日 (火)

防音工事をすると音が良くなる?

先日あるクライアントのオーディオルームで本人と2人のオーディオ評論家と4人でガウディオ誌(5月30日発売)の取材記事としての対談をした。

いま校正原稿に手を入れているが、音響に関する内容の話し言葉が活字になると途端に内容が飛躍したり、あいまいになったり・・・・・で校正というよりは、書き直しに近くなる・・・・・・部屋の音響のことを活字にするのは、コンポーネントの評論より難しいのではないか???・・・・・・という勝手な言い訳をいつものようにしたくなる・・・・・・。

会話であればその場のニュアンスが伝わるので、ほぼ正確にコミュニケーションが成立して、会話自体も面白く盛り上がったりすのだが・・・・・・・。いずれにしても音のあり方を活字にするのはシンドイ。

ついつい音響の正確さを伝えたくて饒舌になってしまうが、逆に却って説得力に乏しいのではないかというもどかしさがつきまとう。

Dsc03467_1

こうして対談を読み直してみると、オーディオコンポーネントのクウォりティが著しく向上している現在、部屋を抜きにして再生音を語ることができない時代になってきているのではないか・・・・ということが良くわかる。三人の方がたのほうが小生の考え方を積極的に代弁してくれているようで、部屋の建築屋としては少々こそばゆい。
 
一方、建築屋の部屋の話はわかりずらい。コンポやアクセサリーのように簡単に試すこともできない。部屋の良し悪しを比較することは現実的に無理だ…。
音響対策というとすぐに吸音材をはじめとする対策グッヅになりがちなのだが、それより以前にその部屋の基本性格の問題がありますよ・・・・・。音響室として部屋を考えた場合、オーディオ機器同様共振を伴なわない伝送系、すなわち高剛性の面材で作って(=防音工事)、そのうえで部屋の形が振動のピークが出来にくいプロポーションにしましょう・・・・が基本ということなのだ。
しかしね~・・・・。・・・・引っ越ししたり、リフォームする機会をうまく絡ませれば、意外なほど出費も納得の範囲におさまると思ってくれるようです。

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2013年5月 5日 (日)

2階のオーディオルーム・有利?不利? その3

不利である・・・・・・オーディオルームの床は音質的に重要である。

防音設計・防音工事の大原則は重い(面密度が大きい)材料で隙間が極力ないことである。

音響室はできるだけ音のエネルギーに対して振動しないのが良い(防音に貢献)のだが、その振動(付帯振動もふくめて)は部屋に対しては同時に2次音源になっているのである。

したがって重量のある材料で面を構成することは当然音質的に非常に有利になるし、

軽い材料であれば不利になる。

オーディオの場合は通常スピーカーは床に接しているので音のエネルギーの一部はBOXの振動となり床に伝搬している。床が2次音源となっていることを考えると安易に看過できないのだ。またアンプなどの機器ラックなどを介して床に接しているので、それらの機器にも振動を伝えていることにもなっている。

スピーカーやアンプ機器などのインシュレ―ターで音がかわるのはこのためである。

床の影響はことのほか大きく、ピアノやチェロ、ドラムなどの楽器はピアノの足の位置やエンドピンの場所およびその材質に拠って(下地骨組み構造と表面材質の両面)大きく音色が変わることは演奏者にとっては常識である。

楽器などの場合は共振・振動しにくい重い床が良い・・・とは一概には言えない、・…その響きを含めて演奏をコントロールしているからである。

しかしオーディオの場合は『再生系の無共振思想』の原則に従えば、床の振動はなるべくないほうが良いのである。

どの程度であればよいのか?・・・・・オーディオの世界キリがないのですよね・・・・。

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床をコンクリートにする効果は確実にあります。

この写真例は、スピーカー側の床下地はコンクリートでできています。

この部屋は1階、勾配高天井・・・・実は2階建ての平屋部分にあります。

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2013年4月25日 (木)

2階のオーディオルーム・有利?不利? その2

不利である・どちらとも言えない・・・・・・・

2階が重くなり耐震的に不利であるが、構造設計的カバーは容易である。

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防音工事の基本の一つは綿密度の高い材料(・…重い材料・・・・)で床・壁・天井を構成するということである。

したがって2階に重い材料というのは力学的に不利であることは否めないが、その重量が度を超えない限り、下階の間取りを含めた構造計画・増加荷重を計算に入れた適切な構造設計ならば問題になることはない。
ちなみに防音工事による重量増加は約3000キログラム・・・・・・3トン…である。
・・・・ぎょっとされるかもしれませんが、建築ではそれほど大きな数字ではないのです。
ちなみに部屋に持ち込まれる家具什器・人間などの荷重を積載荷重というが、1平米あたり180キロが住宅における基準と建築基準法で定められている。
そうして計算するとこの部屋の場合は4トン強の荷重を想定して設計するというのが常識なのである。
でも屋根材が軽い方が有利なのは大地震が現実味を帯びだした昨今であればなおさらなこと言うまでもないことだが・・・・・。
閑話休題・・・・。

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2013年4月16日 (火)

2階のオーディオルーム・有利?不利? その1

O_7 防音工事・音響工事は1階が有利?2階が有利?

有利である・・・・・・・・天井が工夫次第で高くできる。

Kさんのオーディオルームは2階である。
住宅設計というのは複雑な要素をうまく有機的に解決・デザインするのが設計者の醍醐味である。本例の場合は住宅の設計は仰せつかってないので何とも言えないが、想像するに敷地および近隣建物の関係で、明るい2階に通常生活スペースをもってくるというプライオリティがあったのではないかと思われる。
当然オーディオルームはKさんにとっては生活そのものであるから、2階リビングルームと隣接した位置関係になるのは当然のことだったらしい。
オーディオ専用部屋が20畳以上もあったマンションからの転居なのだが、戸建て新築住宅では、他の関係で14畳しか広さは確保できなかったが、その代わり屋根勾配なりに高い天井をあえて設計。
一番高いところで3.65mある。
天井裏まで部屋に取り込む設計は工夫次第で設計可能である。
圧迫感・閉塞感とは無縁の空間になったという次第・・・・。

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