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2013年8月22日 (木)

第1回パート2 Acoustic Audio Forum レポート

明日はバックロードホーンスピーカーを弊社、防音工事が体験できる視聴室に持ち込んでのイベントがありますが、明日の主役、炭山アキラ氏より先日開催されました。オーディオフォーラムの詳細レポートをいただきましたので、ご報告。

なお、バックロードホーンスピーカーについては
下記に詳しい解説があります。
http://www.e-bhsp.com/backroad.html
Photo
















制作中のスピーカー
この高効率で大型のスピーカーでセレクトされた外盤音源を聴くのは非常に楽しみです。より、音源の細かい部分も弊社の視聴室の環境では浮き彫りになるでしょう。
参加ご予約は 03-3239-2021まで
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去る8月4日(日)、東京は日野市のスフォルツァート本社スタジオにて、「アコースティック・オーディオ・フォーラム」結成のプレ・イベントが行われました。主催は高音質の防音工事、オーディオルーム製作で名を知られたアコースティックデザインシステムの鈴木泰之代表、講師はオーディ・AV・ニューメディア評論家の麻倉怜士氏です。
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「アコースティック」と銘打たれている通り、この活動は「"部屋の響き"から始まる高音質追求の世界」をメインテーマとしています。私たちオーディオマニアは何かというとオーディオ機器の良し悪しのみで音質を語ってしまいがちですが、それらを鳴らす"土台"たる部屋が頑丈な床と適切な響き、そして近隣へ騒音被害を及ぼすことのない防音性能を獲得していなければ、せっかくの贅を凝らした機器も宝の持ち腐れというものです。
私たちの許へオーディオが普及してもうずいぶんになりますが、一向に改善されることのないそういう状況に危惧を覚えた鈴木代表の義憤に麻倉氏とオーディオ・AV評論家の山之内正氏が共鳴して立ち上げられたのがこのフォーラムです。これからは鈴木代表とアコースティックデザインシステムが手がけられた防音室やオーディオルーム、音楽スタジオなどから場所の提供を受けられるところを使って一般から聴衆を募り、「オーディオにおける部屋の大切さ」を実感してもらうイベントを続けていかれるとか。
このプレ・イベントを開催したスフォルツァートの試聴室は、もちろんアコースティックデザインシステムが手がけた防音室です。当初「-60dB以上の防音性能が欲しい」という依頼があって、「そんなオーバークオリティな依頼を一体どういう人がしてくるのだろう?」と疑問に思っていたら、世界最高峰のデジタルプレーヤーを生み出すメーカーだったので鈴木代表も驚かれたのだそうです。
何でも、-60dBという防音特性は「真夜中にドラムを叩いても近所に聴こえない」レベルなのだとか。スフォルツァートの小俣恭一代表は決して耳を聾するような大音量を日常とするタイプではないそうですが、こういう完全防音の裏打ちがあって初めて深夜まで周囲に気を遣うことなく開発作業が続けられるのだとか。同社のネットワーク・トランスポートDST-01はもう既に相当数の熱心なオーディオファイルのお手元で働いているはずですが、あの素晴らしい音楽再現性はアコースティックデザインシステムの"器"によって生み出されているのですね。
当日こちらへ集まられたお客様は、同フォーラムの世話人に代表の伏黒務さんが名を連ねる町田市の販売店「カンタービレ」のお得意様と、当ブログの読者で参加申し込みがあった人たちでした。イベントは1回当たり6〜8人の2回構成です。
試聴機材はスフォルツァートの最新作たるDAC内蔵ネットワーク・プレーヤーDSP-03を中心に、試聴室常備のアンプ内蔵モニタースピーカー、独ムジークエレクトロニク・ガイザインのRL-901KをファンダメンタルのプリアンプLA10でつないでありました。日ごろはマークレヴィンソンのプリが常駐している同試聴室ですが、「僕がわがままを言って持ってきたんですよ」と伏黒さん。小俣さんも「これ、もう返したくありません」とかなり気に入られた様子でした。
麻倉氏の開会宣言に続き、第1回のイベントが始まりました。試聴ソフトはもちろんハイレゾです。まず、ヒラリー・ハーンのバイオリンを聴いたのですが、一聴してかなり小さな音です。しかし、この音量では通常考えられないくらい、バイオリンの音色の細やかさ、ハーンが曲へこめた思いが噴出するように耳へ浸透してきます。
部屋のS/Nが良いということ、ノイズフロアが低いということは、こういう効果をリスナーへ与えてくれるんだなと、実地に納得できる貴重な機会だったのではないかと思います。
ノルウェーに2Lというレコード会社があって、そこは極めて初期の頃からハイレゾを含むオーディオ的音源へ情熱を燃やしています。ブルーレイとSACDハイブリッドの2枚組という構成の盤が何枚もベストセラーに挙がったことがありますが、これは44.1kHzのPCM(CD)と96/24や192/24といったハイレゾPCM(ブルーレイ)、2.8MHzDSD(SACD)の3種類で同一の音源を聴き比べることができるという、オーディオマニアにとってはゾクゾクするような魅力を発する盤です。
また2Lは昨今e-onkyoを通じた配信も開始、そこではハイレゾPCMに加えて2.8/5.6MHzのDSD音源をダウンロードすることもできるようになりました。折しもスフォルツァートDSP-03はおそらく世界で初めてNASからのDSD再生に対応したネットワーク・プレーヤーといってよいものです。そこで麻倉氏はPCMハイレゾ/DSD2.8/同5.6の同一音源による聴き比べを行うべく、音源を用意されていました。同レーベルのモーツァルト/バイオリン協奏曲第4番とブリテン/シンプル・シンフォニーの2曲です。
PCM192、DSD2.8、同5.6の順に聴いていきましたが、個人的に際立って大きな差を感じさせたのはPCMとDSDの間でした。わが家でもハイレゾの再生環境はどうにか整えていますが専らPCM音源で、DSDは音源がそろわないものだから自宅へは未導入でした。しかし、これだけの差を実感してしまうともういけません。しかも、DSDといっても2.8と5.6の間にはさらに相当の品位差があることがはっきりと分かります。
これは前述のアコースティックなノイズフロアの低さによる音質差の分かりやすさに加え、DSP-03が恐るべき分解能、表現力を発揮してくれていることがまた大きな要素なのであろうことは容易に推測できました。実際にこの部屋で開発されたプレーヤーなのだから、それはある意味で当然の好相性ということにもなるでしょうね。
ここでスペシャル・ゲストが登場します。DSP-03が初のNAS経由DSD再生可能なプレーヤーとなったのには、DSD音源を送り出すことのできるNASを共同開発したから、という側面もありました。その共同開発先がPC周辺機器大手のバッファローです。
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当日はバッファローのエンジニア氏が開発中のNASを持ち込んでくれました。試作品ゆえ電源部が別体型になっていることを除けば、見た目は現行のオーディオプレミアムNAS・LS421と変わるところはありません。しかし、出てきた音には目を丸くしました。もうまるで品位が別物なのです。NASより下流の機器はすべて同じで、なぜこれほどまで音が違うのか、不思議というほかありません。
エンジニア氏によると、この試作品は「いまだ発売の目途が立っていない」そうなので、あまり内容についてネタばらしすることは控えますが、きちんと理論立った開発であること、同社の技術なしには実現できなかった独自プログラム、アルゴリズムが投入されていることは書き添えておいても問題ないでしょう。このまま発売されるかどうかは分かりませんが、世に出たらまさしくネットワーク・プレーヤー業界を震撼させる新製品となるのは明らかです。
なぜバッファローがここまでオーディオの世界へ即応できるのか。特に若い人にとっては不可解なことかもしれません。しかし、それは当たり前なのです。バッファローは旧社名をメルコといい、メルコといえば砲金製のプラッターを持つ巨大アナログプレーヤーを開発・発売していたハイエンド・オーディオメーカーだったのですから。CD時代を迎えてアナログプレーヤーの販売が縮小していった頃、次の活路としてPC周辺機器の開発・生産に乗り出し、それが大当たりしたのが同社なのです。
ほとんど「業態変更」といっていいくらいの変化を経た同社ですが、それでも社内には効率化とコストダウンが得意な人たちと、凝り性でとことんまで突き詰めないと気が済まない人たちという、画然としたエンジニアの流派が存在するのだとか。メルコ魂健在! というべきなんでしょうね。
来るべきハイレゾ全盛期へ向けて、PC周辺とピュアオーディオの架け橋となるのは同社を置いて他に存在しないといってよいでしょう。同社の動向には目を離すことができません。
一通りプログラムが終わったところで質疑応答と来場者リクエストによる音楽鑑賞が行われ、和やかな雰囲気のうちに第1回は終了しました。
時間を置いて始まった第2回は、少し音量が上がっています。しかし、びっくりするくらい音楽の姿に変わりがありません。
私はたまたま前日、来場者を片端からなぎ倒すような超大音量のセミナー講師を務めてきたものですから、あまりの世界観の違いに最初は面喰いましたが、完璧なまでのS/Nを有する部屋でぎりぎりまで音量を落とし、なおかつ音楽の姿を余すことなく味わうという当日のスタイルは、音楽を長時間にわたって楽しみたいマニアにとって最も好ましい姿なのではないかと思います。何といってもなぎ倒されるような音量では長時間の音楽鑑賞に体がもちませんからね。
今回は当日の模様を当ブログで皆様へお伝えするレポーターとしてイベントに参加した私でしたが、改めて本当にいい勉強をさせてもらいました。鈴木代表と麻倉先生、小俣さん、伏黒さんに心より感謝したいと思います。
また、当日ご参加いただいたお客様もありがとうございました。お疲れ様でした。楽しいイベントでしたね。また近いうちにお会いできますよう。

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