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2013年6月18日 (火)

第2回 一緒に持っていったスピーカーはどんなもの?

先のセミナーで「ジェネリック100HR」と一緒に鳴らしたスピーカーが2セットありました。小さい方は「ストライク」という名前で、もう何年も前に共同通信社「オーディオベーシック」誌に掲載したものです。ユニットは5インチの同軸2
ウェイで、イタリアSICA(シーカ)社製のものです。型番はZ002320とまるで単なる識別番号みたいですが、1本5,000円少々で買えてネットワークいらずの2ウェイが構築でき、音もかなりしっかりしたユニットですから、皆さんも一度お使いになってみてはいかがでしょうか。お薦めのユニットです。
 
Sumiyamashi2_2 「ストライク」は、そのZ002320を3リットル強のバスレフ型キャビネットに入れた作例です。キャビネットの形はご覧になってお分かりの通り、「ジェネリック100HR」同様のジェネリック型です。2本で1万5,000円もかからず、製作は極めて簡単で、60Hzくらいまでは楽に再生しており、その辺のローコスト2ウェイなどには決して負けない再生レンジと音の品位を持っています。
 
もう1セット持ち込んだのは、同じZ002320同軸2ウェイをダブルバスレフの箱へ入れたものです。このスピーカーには私の作例としては珍しく、ペットネームがついていません。何のことはない、このキャビは雑誌に掲載していないのですね。いつも雑誌掲載用のキャビネットはペットネームを考えるのに四苦八苦しています。それで必要がないとなったら、もう作って何年にもなるのに名前もつけてもらえない始末。何か気の利いた名前を考えてやらねばなりませんね。
 
この「名称未設定(仮名)」のキャビ形式は先ほど何気なくダブルバスレフと書きましたが、少し解説しておきましょうか。一般のバスレフは「ヘルムホルツの共鳴」という原理でダクトから低音を放射してローエンドの伸びと量感を稼ぐ方式ですが、ダブルバスレフというのは文字通りバスレフの共鳴を2つ起こしてより低い周波数まで再生限界を伸ばすというものです。一般にキャビネットが大型化し、設計に決まった公式があるわけでもないので、やや上級者向けというべきキャビネット形式です。
 
「名称未設定」は第1ダクトが約130Hz、第2ダクトが60Hzで共鳴しており、トータルで50Hzくらいまで楽に再生できるようになっています。「ストライク」に比べてほんの半オクターブくらいしか伸びていいないのですが、キャビネットは倍ほどの大きさとなり、製作の難易度も数段階は上がってしまいます。
 
それで一体どれほどの再現の差が耳へ届くのか。こればかりは実際に聴かないとご理解いただけないものと思います。当日ご参加下さった皆さんへは十分に違いが届いたものと思います。
Sumiyamashi3  
自作スピーカーというものはかくの如し。一つのスピーカーユニットからでもキャビネット次第で無限の可能性を引き出すことができるのです。私は10代の頃にこの趣味へハマってもう30年が経過しましたが、まだまだポケットにはやりたいことが山ほど詰まっています。さほどお金をかけなくても結構奥深く楽しめ、腰を据えてかかればメーカー製の高級スピーカーに伍して戦うことの可能な、いやメーカー製スピーカーでは実現することのできない「自分だけの音」をご自分のリスニングルームへ迎えることだって可能なのです。
 
スピーカーに限らず、「自作」というジャンルは「生録」と並んでオーディオ趣味の中では最もアクティブでクリエイティブなものです。そして、取っつきにくい印象とはまるで違って、誰でも簡単に始めることが可能なものでもあります。上級者のように電動工具やクランプを山ほど用意して、というのは結構ハードルが高いものですが、今回お聴かせした「ジェネリック」キャビネットなどは、以前オーディオショーで私が作り方を解説しながら来場者と一緒に作り、2時間ほどで皆さん組み上げてお帰りになったくらいです。
 
どうか1人でも多く、この素晴らしい世界へ入ってきて下さることを心より願います。
 
次回はセミナーの模様とアコースティックデザインシステムの音響設計された防音工事オーディオルームでどう音が響いたか、といったことについて述べたいと思います。
 
- 炭山 -

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